CHFN(1) | User Commands | CHFN(1) |
名前¶
chfn - ユーザの finger 情報を変更する
書式¶
chfn [-f full-name] [-o office] [-p office-phone] [-h home-phone] [-u] [-v] [username]
読者へのご注意¶
これは、util-linux 版の chfn コマンドのマニュアルである。chfn コマンドの実装には、いくつかの系統がある。御使用のディストリビューションが util-linux 版以外の chfn コマンドを採用している場合には、 動作やオプションがここで説明しているものとかなり違っているかもしれない。 そういうときは、英語版しかないかもしれないが、お手元の chfn コマンドに付属するマニュアルに当たってみていただきたい。
説明¶
chfn の用途は、ユーザの finger 情報を変更することである。そうした情報は、/etc/passwd ファイルに記録されており、finger プログラムによって表示される。 Linux の finger コマンドは、4 種の情報を表示するが、chfn を使えば、そうしたものを変更することが可能なのだ。 4 種の情報とは、ユーザのフルネーム、オフィスの部屋番号、その電話番号、 それに自宅の電話番号である。
4 種の情報は、いずれもコマンドラインで指定することができる。 コマンドラインでどの情報も指定しなかった場合、chfn は対話モードになる。
対話モードでは、chfn が各フィールドごとにプロンプトを出して、入力を促す。 プロンプトが出たら、新しい情報を入力する。フィールドを変更しないでおきたかったら、 何も入力せずにリターンキーを押せばよい。"none" というキーワードを打ち込めば、フィールドを空にすることができる。
chfn は、libuser ライブラリとリンクしていれば、ユーザアカウント情報がローカルにない場合 (kerberos や LDAP などを使用している場合) にも対応する。 リンクしていない場合は、ypchfn や lchfn のような、非ローカルなアカウント情報に対応している chfn の実装を使用すればよい。
オプション¶
- -f, --full-name full-name
- ユーザのフルネームを指定する。
- -o, --office office
- オフィスの部屋番号を指定する。
- -p, --office-phone office-phone
- オフィスの電話番号を指定する。
- -h, --home-phone home-phone
- 自宅の電話番号を指定する。
- -u, --help
- ヘルプを表示して終了する。
- -v, --version
- バージョン情報を表示して終了する。
設定ファイルの項目¶
chfn は、設定ファイル /etc/login.defs(5) を読み込む。なお、この設定ファイルは、他のパッケージ (たとえば、shadow-utils) の一部として配布されているかもしれない。chfn(1) に関係があるのは、次の設定項目である。
CHFN_RESTRICT string
これをブール値の yes に設定すると、変更可能なフィールドが、オフィス、オフィスの電話番号、自宅電話番号の 3 箇所のみになり、ブール値の no にすると、さらにフルネームも変更可能になる。
変更可能なフィールドを指定するもう一つの方法は、略号を使うことだ。 すなわち、f = フルネーム (full name), r = オフィス (office room), w = オフィスの電話番号 (work phone), h = 自宅電話番号 (home phone) である。たとえば、CHFN_RESTRICT "wh" と指定すれば、オフィスと自宅の電話番号を変更できることになる。
CHFN_RESTRICT が未定義だと、すべての finger 情報が読み取り専用になる。これがデフォルトである。
終了ステータス¶
操作に成功すれば、0 を返し、操作に失敗したり、コマンドの書式が無効なときは、1 を返す。
関連項目¶
作者¶
Salvatore Valente <svalente@mit.edu>
入手方法¶
この chfn コマンドは、util-linux パッケージの一部であり、次の URL から入手できる。https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/
November 2015 | util-linux |